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≪用語≫

〇クロースホールド(クローズ)「Closehauled」

 風位(風の吹いてくる方向)に対して最大の約45度の角度で航行する(のぼる)こと。その原理については、#ヨットの動く原理の項を参照

 のこと。

〇タッキング(タック)「Tacking

 クロースホールドで進んでいるとき、反対向きのクロースホールドまで風上方向へ船の向きを回転させる動作。一瞬だけ風位を向く。風上の

 方向に目的地がある場合は、ヨットは風上に向かって直進に進むことは不可能であるため、タックを繰り返してジグザグに進みながら向かっ

 ていく。ランニング船の進行方向のほぼ真後ろから風を受けて進む(下る)こと。このとき、セール(帆)は船の片側に大きく開いている。

 完全に真後ろから風を受ける「デッドラン」では失速したり、強風下ではワイルドジャイブ(下記参照)を引き起こしたりする。

〇ジャイブ(ジャイビング)

 ランニングに近い角度で進んでいるとき、風下方向へ舟を回し片側に開いているセールを反対側に開くこと。ワイルドジャイブは強風下で船

 の真後ろから風を受けているときにジャイブ動作をしていないのに勝手にセールが反転する現象である。ワイルドジャイブが起きると船が大

 きく傾き転覆する事がよくある。映画「白い嵐」では最終的にワイルドジャイブにより船が転覆する。

〇アビーム「Abeam」

 風位に対して90度から風を受けて進むこと。ちょうど船の真横から風を受ける感じ。ヨットではアビームの状態が最もスピードが出る。

〇チン(沈)

 ヨット(ディンギー)が転覆すること。90度横に転覆したものを半沈(ハンチン)、180度完全に転覆したものを完沈(カンチン)と言う。

 また、陸上に上げて保管中に台風などで横倒しになった場合には陸沈(リクチン)と呼んだりする。

〇ジブ

 メインセールが後ろの帆であるとするならば、前の帆になる小さいセール。正式にはジブセールとは言わない。

〇スピンネーカー(スピン)「Spinnaker」

 メインセール、ジブセールのほか、クローズ以外の角度で航行するときに張ることができる3枚目の非常に軽い帆。1人乗りの船には無い。

 ちょうど日本の正月に上げるタコを巨大にしたような感じ。2人乗りでも、FJ級・470級などにはあるが、スナイプ級などには無い。映画「ウ

 ォーターワールド」では海賊から逃げる際に使われた。

〇スキッパー(ヘルムスマン)「Helmsman」

 主に舵取りを担当する人員のこと。艇長。ディンギーではメインセールの操作と舵取りの役割を担う。

〇クルー 「Crew」

 操船に係わる乗員の中でスキッパーでない人員のこと。ディンギーでは主にジブセールおよびスピンネーカーの操作、船の左右の傾き(ヒ

 ール)の調整、また海や他艇の状況把握および進路判断の役割を担う。

〇トラピーズ

 マストの上の方から左右にぶら下がっているワイヤー。下端に金属製の輪(トラピーズリング)がついている。クルーが腰の周りに「ハー

 ネス」と呼ばれる金具を装着し、その金具をトラピーズリングに引っかけて外側に体重をかけることで、効率よく船の左右の傾き(ヒール)

 を打ち消すことができる。クルーがいない1人乗りの船には無い。2人乗りでも、FJ級・470級などにはあるが、スナイプ級などには無くクル

 ーもハイクアウト(下に記述)をとる。

〇ハイクアウト「Hikeout」

 足首を「フットベルト」と呼ばれるベルトに引っ掛け、臀部から上の体を船の外に出して体重をかけて傾き(ヒール)を打ち消す方法。デ

 ィンギーでは1人乗り2人乗りのどちらもで行われる動作ではあるが、FJ級・470級はスキッパーだけが、スナイプ級ではトラピーズがない

 クルーもこれをとる。上半身の体重がかかる為、腹筋と大腿筋に負担がかかる。

〇スターボード(スターボ)「Starboard」

 右舷。舵取り甲板が進行方向右側だったことに由来。あるいは風を右舷から受けて走る状態(スターボードタック)。レースではスターボ

 艇がポート艇に対して権利的強者となる。

〇ポート

 左舷。港に横付けする側が進行方向左側だったことに由来。あるいは風を左舷から受けて走る状態(ポートタック)。

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